7月5日、旧オウム真理教の麻原教祖ほか幹部7名の死刑が執行されました。本死刑の直接当事者への発言は控えさせていただきます。

地下鉄サリン事件当時、18歳で就職寸前だった私は準備に追われてニュースに釘付けだったわけではありませんでした。ただ、どのテレビ局でもこぞってオウム特集をやっていたことと、上祐史浩氏の鮮やかなディベート術は鮮明に覚えています。

大の大人の追求を豊富なボキャブラリーで切り返す。我々の世代で当時の上祐氏に対して、ある意味羨望的な感覚を持った人は私に限らず少なからずいたのではないかと察します。

ただ、この歳になって当時のデータを客観的に振り返りますと、上祐氏はじめオウム側は、自身は関与しておらず完全に「でっち上げ」だとの反証から始まり、そこに国家権力や大宗教団体が関与するなどの「国家謀略説」的な主張が大部分だったことが今更ながらですが分かります。

前日、麻原教祖の重要な関係者が投稿されたブログ記事を拝見投稿しました。教祖の最期の発言に「作り話だ」とキッパリ主張されていた箇所が、当時の上祐氏の「でっち上げ」と酷似していると感じてしまったのは私だけではないのではないでしょうか。

その重要関係者は敢えてリスクを背負って発言されたわけではなく、ごく自然に発言されたものと思います。社会的に追い詰められた辛さはご自身が身を以って感じていらっしゃるはずですから。

にもかかわらず、当時を少しでも知る我々が違和感を感じる発言を自然とされたのであるならば、無意識のうちに旧オウム真理教の教えと言うかカルチャーが滲み出たのではないのかなと感じた次第です。

私は現在宗教について特別な感情は持っていないし、実際に「作り話」である可能性が万が一にも残っているわけですから否定することはしません。

遥か昔、頻繁に耳にした「国家謀略説」的な発言をリアルタイムで耳にしたことに対する驚きと不安が言いたかっただけになります。今後の動向に注目します。